平成28年4月14日と16日に起きました熊本地震において、いまだ余震の収束が期待できない日々をお過ごしの皆様に心よりお見舞い申し上げます。
　私事で恐縮ですが、前震と呼ばれる14日の地震発生時には脳卒中学会（北海道）に参加しておりました。急遽2日目の夕に帰熊したところ、16日午前1時25分本震が発生したのです。足を踏み入れることさえできない自宅の悲惨な状況を目の当たりにし、その時の喪失感は例えようがありません。また、職場（大学）は倒れた本棚やキャビネットが障壁となり部屋に入ることが出来ず、後日、PCの前に座るスペースだけ確保して仕事再開に至った次第です。現実を直視すると今後大会長の任務を遂行できるか大きな不安を覚えましたが、被災された多くの方々と同じく未曾有の体験をした者として、関係者の皆様方の協力を得ながらこの難局を乗り越えることが何より復興に繋がるものと信じております。
　今回、当事者として、また医療職者として全国の皆様に現状をお伝えすることも重要な役割と考えました。大学に出ることも、自宅に入ることも出来ない時間、避難先である友人（居宅介護事業所開業の看護師、ケアマネジャー）の仕事に同行しました。限界集落で暮らす高齢者や独居者の安否確認、避難施設で救援物資を受け取る段取り、身体症状が悪化した利用者への対応等は初めての経験でした。この経験は今も心の糧になっています。しかし一方で、先日も修了生（認定看護師）から、例えようのない辛さや苦しさを抱えながら入院患者や被災された方々への対応に追われている現状を聞き、身に詰まされる思いを致しました。そこに携わる者への精神的支援が講じられることを切に願って止みません。
　このようななか、（併催）脳神経外科学会総会様から登録要件に関して格段のご配慮をいただきました。このことにつきまして、文中ではございますがお礼を申しあげるとともに皆様にお伝えいたします。
　最後に、当学会は予定通り9月30日九州大学百年講堂で開催します。一日も早い地震からの復興を祈念し、会員の皆様のご支援とご協力をお願い申し上げてご挨拶とします。

追伸：	歴史的遺産である熊本城の惨状はご周知のことと思います。 福岡から熊本までぜひ足をお運びいただければ幸いです。